ビーテックニュース
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2人の「巨匠」が仕上げた「ビーテック・マスコットカー!」が堂々完成!
2016/05/21
ビーテックには、二人の「巨匠」が在職、門真工場「康川(技術顧問)」自動車鈑金一筋50年!もう一人は東大阪工場「松岡(BP統括部長)」自動車塗装一筋40年!この二人が仕上げた「ビーテック・マスコットカー」がこの度堂々完成!
この車を製作した理由は、昨今任意保険の等級改定(事故割等級等)で「10万~20万」までの少額修理の場合は保険を使うか使わないで非常に思案するところである。結果最近ビーテックにも出張見積の依頼の電話が多くなってきた、お客様の自宅や会社まで出向きその場で見積をしてくる。写真も撮って保険会社へも連絡する。スムーズにお客様の場所に到着出来る為に最新の「ナビ」も搭載し準備OK!早速本日見積依頼が一件あった、お客様の自宅前にさりげなく停めさせてて頂くのもこの大きさなら邪魔にはならない、なにより見積をしている間、お客様はこのビーテックカーに釘づけ(笑)。「この全塗装でいくら位するの?」の質問攻め、今回の修理と同時にお好きな色に変えましょうか?と提案した。見積の幅が大幅にUPする。せっかくお客様に直接お会いするのだから色々な提案をするのも私達の仕事でもある。
<ビーテック・マスコットカー(仮称)の誕生まで・・・>
ベースとなっている車両は、ダイハツ「ミゼットⅡ」平成10年式(18年経過)、昭和初期に走っていたミゼット(三輪トラック)の復刻版で軽4輪車として発売していた。いまでは既に部品もなく全体的に凸凹があり特にリアゲート、リアバンパー、フロントフェンダー両側に凹みがある。
<鈑金作業:康川技術顧問が担当>
リアゲートとリアバンパーは特に酷い状態。康川顧問はハンマリングの「達人」ということはこの業界では有名である、いままで様々な場所で技術講師をしてきた。最近のパネルは薄くて鈑金は難しいので、時間的に考えると交換作業が多くなっているが部品がなければ叩くしかない。
極限まで鉄板を叩いて、成型するのが本来の鈑金であり「パテ」は出来る丈薄く、可能なら「パテ」はつけない方が良いのは当然、鉄板と塗料の間に「異物」が挟まることになるので出来る丈「薄く」。(康川顧問:談)
ハンマー「一本」でここまで綺麗に修復が出来る職人が今は少ないだろう。このまま下地塗装に入れる。門真工場からパテを着けずに運ばれてきた。
リアゲートも所々に鉄板が見えるほどに薄いパテで仕上げてきている、これが「匠」の仕事。鈑金の巨匠「康川顧問」はこのあと、塗装の巨匠「松岡BP統括部長」に仕上げを託す。
<塗装作業:松岡BP統括部長が担当>
「うわぁ~、これはマジ素晴らしい鈑金仕事で持ってきたなぁ・・・。気合いが入るわ~!」(松岡:談)
塗装前の下地処理も結構重要な仕事、塗装前にチョコチョコっと、エクボ程度のヘコミも修復して本格的に塗装にはいる。しかし・・・、夕方18:30まで二台の「塗装ブース」はフル回転。「しゃ~ない、仕事の邪魔は出けへんから19:00から塗装ブースに入れるわ」(松岡:談)
全塗装は本来、ドア関係は外して別々に塗装することが多いが松岡巨匠曰く「昔は、マスキングを上手くすれば着けたまま塗ったもんよ、鈑金屋さんの仕事が省けるし時間短縮に大きく影響してくる」、リアゲートのダンパー部分のマスキングはジャバラ式に工夫をして開閉しても破れないようにしてある。(さすが経験が・・・)
先ずは「色」を決める、「やっぱり今流行の、マツダ車の赤メタリック(41V)で行こう!」松岡部長はアクサルタ(旧デュポン)の塗料を使う。
その間に、「松岡部長」の弟子達は塗装ブースに車両を入れて準備を手伝う・・・。
「松岡部長、全員で塗装も手伝いましょか?大変ですよ!」と兵頭塗装リーダーが声をかける。
「ありがとう、いやいやワシも全塗装は8年ぶりやねん、今日は楽しませてもらうわ(笑)」
さぁ~始まった!先ずはベース色を吹き付ける「まだまだ若いもんにゃ負けへんで」凄い闘争心は目を見ればわかる。ベース色を3回連続して吹き付ける。
あの~、松岡さん・・、松岡さん・・!「ん?なんや?」、これどうみてもピンクに見えるのですが調色間違ってません?赤メタリックの筈ですが・・・。「黙って見とったらええ・・」(はい、わかりました・・・(笑))
ん?なんやこれ?真っ赤な綺麗な塗料は?「これがカラークリアーちゅうやつや、これからが楽しみやで」(松岡:談)
お?お?お?ピンク色(ベース)に半透明のカラークリアーを吹き付けていくと真っ赤なメタリックに!凄い!
「アカン、ちょっと休憩や!やっぱ全塗装はなめたらあかんな。あと一発(クリアー)を二回吹き付けたら完成やで!。」
スポーツドリンクをもう一本一気飲み!「さぁ~、ラストや!」
仕上りを、眺めて「長い、長い闘いやったなぁ・・・」と呟く。今回の全塗装は「ベースが3回、カラークリアー3回、透明クリアー2回」の合計8回吹き付けたことになる。「まだまだ、腕は鈍ってないなぁ~」
その後、フロントバンパー、リアバンパー、フェンダー関係を同色系のメタリックブラウンに塗装。これで完成。
この色は何処かで見たなぁ~、「おう、山形県のさくらんぼに似てる」通称は「チェリーボーイ」か???竹本専務も「チョ、チョ、チョちょっと乗せてくれるか?」と気に入ってくれた。
<編集後記>
今回、ビーテックカーに携わって頂いた「康川技術顧問」と「松岡BP統括部長」この二人の巨匠が心を込めて手掛けて頂いたビーテックのマスカットカー、あのくたびれたミゼットⅡがここまで復元される。写真でみるより現物はもっと鮮やかな赤メタリック。車・・・、今は単なる移動手段としか考えていない方が増える中このような少し遊び心をくすぐるような車が街中を走るとウキウキしませんか?18年前の車もエンジンはしっかりしたものが多い。「全塗装」を施すことで気分も新たにまたまた愛着が出てくるのです。一昔前はよく行われていた「全塗装」・・・、最近はめっきりその声は聞かなくなりました。いまの若手塗装士も全塗装を一人で任されたことが無いという方も多いのではないでしょうか?
最後に、松岡BP統括部長は「康川顧問がパテ無しで、鈑金仕上げて来たので、塗装はノンポリッシュ(磨き無し)で完成や!」とのことです。磨き無しでここまでの光沢です。鈑金と塗装・・・、二人の巨匠が仕上げた車、街中で見かけるかもしれませんよ!「見かけた方には必ず幸せが訪れますように心より願います!」
(撮影・編集・文責:辰巳)
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