人も「車」も足元・・・。人を見るのは「先ずは足元を見ろ・・」とはよく言われたもので、他にも「足元みやがって・・」、「足元をすくわれた！」等々。車の足元とはやっぱり「タイヤ＆ホィール」になる。

今回は大阪府にお住まいの「S様」・・・。「お宅のホームページを観てんけど、先日購入した『ポルシェ・カイエン』のホィールのイメージを変えたいんやが・・・」。担当は当然「松岡BP統括部長」、打合せで要望の色や費用などが決まりビーテック東大阪工場まで来て頂くことに・・・。

お～、ポルシェといってもスポーツカーの分野ではなく「SUV」系であり、かなりの人気が出ている輸入車である。さてホィールは・・・っと。

　　　

　　　

ほ～！今年納車されたばかりの「新車」・・・。「S様」曰く、少しスポーティーにイメージを変えたいのと同時に高級感を出して欲しい！それで「マッドブラック」に。（最近流行っている）

「それじゃ！宜しく！」とポルシェカイエンを置いて行かれた・・・。早速工場内にいれてリフトアップしよか・・。マッドブラックの色指定も「S様」と面詰に打合せさせて頂き決定している。

結構デカいな～！！！。

　　　

タイヤをホィールから外してしまう。最近の高級車はタイヤの空気圧などのセンサーがついてあり、また様々なセンサーもついているので、タイヤが外された！という信号も記憶される可能性もあるので、メインスイッチはタイヤが装着されるまでは切ったままで、更には同じ場所に戻すことも必要になる。（F・L：はフロント・レフト：前の左の印をホィールにわかり易く記す）。

さて、調色作業・・。執刀者は「兵頭（一級塗装士）」が選任された。

これくらいかな～？？いやもう少し「ツヤを出そう」。

　　　

これでOK！バッチリや良い感じの色になった。SUV車なのでこれ以上「ツヤ」を出すと車のジャンルが変わってしまう・・・。（よし！OK！）

ホィールはボディーの中でも一番過酷な状況にあり、冬場はマイナスの世界・・・、夏場は恐ろしい程に熱を持つ・・・。塗装をする前に徹底的な下地処理が必要。（ここは企業秘密なので取材が拒否された・・・）。塗装前に色々な薬剤が塗られては高温で焼かれている。

あ、なのでタイヤを付けたままでは無理か・・・。（なるほど）

　　　

いよいよ、塗装ブースに入れられて・・・、ここでも本塗の前に「前作業」があった。なに？なに？それなにしてるん？「ナイショです、あ～写真撮ったらダメです！もう！邪魔せんといて下さい！こっちは真剣勝負なんですから！」（ハイ・・すいません）。

　　　

センターキャップも・・・。お客様の要望でエアーバルブ（空気を入れるところ・・・）までもマッドに・・・。（凄い拘りだ・・・）さ～て塗装ブースの中でカンカンに焼かれたホィール本体は・・・。

　　　

げ！しっぶぅ！完全マッドではなく少しのツヤが出ている。

　　　

タイヤが付けられた！！！。「お～！」早くポルシェにつけて！「あの～、何回取材しているんですか？このまま１日置きますよ、ホィールとタイヤがしっかり馴染むまでこのままです！取付は明日です。」（え～！！！）

そして翌日・・・＞

「お！センターキャップが付けられている！」

上手にポルシェのエンブレム部分だけを隠して（マスキング）してるんやね。（これも技術・・・）

さ～！いよいよ車体に装着！ここからは「塗装士」の手を離れて「車体整備士」仕事になる。

キズを付けないように「そ～っと、そ～っと」２人での作業となる。ここで失敗したら今までの作業が全てやり直し！！！。インパクトレンチなどは絶対に使わない！

最終の締め付けは「トルクレンチ」で。国産車両は殆どが120Nmでの締め付け。

しかし車種によってはトルクが違うのはご存じ？？？

　　　

先ずは、120Nmのトルクで締めた後、車体を前後に動かせて、ホィールとハブも馴染ませる・・・。それから正規のトルク160Nｍで締め付ける。

よ～！っと。お～まだ締まるか！「コチッ！」ハイＯＫ！これを全てのホィールナットを締め付けていく。（このトルクレンチの更生作業は年に一回必ず専門業者に出す）

さ～ってお待ちかね！仕上がったポルシェカイエンの足元はどのようにイメージが変わったのか？？？＞＞＞

 

ビフォー！

アフター！「どえぇ～！なんと・・・。」

ビフォー！

アフター！！！！「ヒエェ～！！！！」しっぶ！。

ビフォー！

アフター！！！！「あかん、渋過ぎる・・・」

当日、夕刻になったが「Ｓ様」が引取にお見えになった。担当の「松岡ＢＰ統括部長」が、ビーテックニュースへの掲載の承諾をお願いしたら「ワシもこのホームページ見て来たんやからええよ！」と快諾して頂き今回の投稿させていただいた。「Ｓ様！ご協力ありがとうございました！」

編集後記＞：しかし、人も車も「足元から」。先月「9月末」に投稿させて頂いた大阪市内在住の「I様」はポルシェカレラ911だったのでガチのスポーツカーだったので、マッドでも少しツヤを重視しました。

　　　

今回の「ポルシェカイエン」はS様の要望通り、少しツヤを抑えた結果、これまた良い感じに仕上がりました！足元のイメージを変えるだけでこれほどに全体のイメージが変わるのですね・・・。

少し、日陰になってしまい写真の映り方が悪くで申し訳ありません。人も車も足元から・・・。皆さんも先ずは、自分の履いている「靴」を見て見ませんか？汚れてませんか？くたびれてませんか？相手はその「足元」を見てあなたを判断しているかも・・・。「大阪府在住のS様！この度はご依頼をありがとう御座いました！今日から『足元、じ～っと見られてますよ！（笑）』失礼しました！」

ビフォー！

アフター！！！！「靴の全塗装」の商品化はもう少しお待ちくださいね？？？（撮影・編集・文責：辰巳寛一）