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「鈑金か交換か?」保険を使うか?悩む時代!
2018/06/15
任意保険・・・。対人・対物の賠償これは絶対に加入が必要であることは良識のあるカーオーナーなら当たり前のこと!しかし、相手賠償に対する保険を加入しない方が結構多いとも聞く。
当然、何かあった時にはその賠償能力がある方は加入しなくても良いと思うが、ところが全く真逆であり未加入理由が保険に入ることが出来ない方が無保険で運転をしているのも事実。任意保険と言うから「任意だ」と訳分からん解釈をされている方も多い。
賠償責任が無い方こそ、しっかりとして任意保険に加入して、いざと言う時に備える。
また、自ら構築物に接触したり、相手の車の賠償は任意保険で賄えたが自分の車の修理はどうする?こんな時の為に「車輌保険」もある。また任意保険は「毎年更新」であり、1年間事故が無かったら「1等級」上がり翌年から割引も受けられることになり、5年10年と保険を使わなかった場合はその割引率も50%前後にもなる。
しかし、一旦保険を使うとなると一気に「3等級」下がることになる。元に戻るのに単純に「3年」はかかるということになる。対物で相手賠償で既に保険を使用する場合は対物保険で「3等級」ダウンしてしまうので、一緒に車両保険を使い自分の車も保険使用で修理をする。
しかしここで紹介するお客様(N様)は、構築物に左折時「ガリガリ」と引っかかってしまった。まだ購入して500kmにしか走行していない「新型シエンタ」。
写真では分かりにくいが、左フロントドアの下部とその下のステップまで、エグれるように損傷している。本来ならドアを新品パネルに交換すると判断するが、お客様の要望で、まだ新車なのでドアの交換は止めて欲しい。鈑金での修理を要望された。当り方をみると少し鉄板が伸びているのがわかる。
鈑金の執刀医は、BPグランプリ近畿南ブロック二次予選に連続して出場している「迫田鈑金技師」(東大阪工場長)。損傷箇所を見た瞬間「うなだれた(笑)」、これ鈑金ですか?これはどう見ても交換の方がスカッと治りますよ!という。「いいや鈑金や」と指示を出す。
「よっしゃ!ほなやったろかい!」
塗装を剥がし、むき出しになった鉄板を原型に戻す。
微調整はハンマリングで出来る限り鉄板を原型に戻す。粗々の粗だしは出来た。
で修復作業。
スライディングハンマーで、徐々に引っ張っていく。
この逆アールになっているパネルの歪みをとるのは至難の業、「歪み取名人の松岡統括部長」にもチェックをしてもらう。「よし!OK!」
室内にホコリが入らないように、作業部分だけを出して後はビニールで覆う、まるで「オペ」前の手術着を着ているようだ。ここから塗装工程にはいる。
先ずは、ステップ部分にしっかりと「錆止め」下地塗装を行う。
続いてドア部分に入る。この鈑金を含めた下地処理に時間をかけないと、数年経過して変色したり、サビが出てきたりしてしまうので入念に行う。
さて、塗装の執刀医は、一級塗装士の「兵頭塗装リーダー」カラーデーターから色を決める。
テストピースで塗り板に試し塗り、それを現車に合わせる「お見事!」完璧に同じ色を再現!
いよいよ、塗装ブースに入れる。なにぶん新車なので全ての行程が慎重になる。
塗装する部分だけ出して最終ボディーのホコリは油分を丁寧に除去していく。既に兵頭塗装士は「防塵服」(手術着)に着替えている。
ベース色は、補修部分だけに留める、修理スペースは最小限に押させるのが基本。
塗装ブース内の照明を消して、塗りムラがないか入念にチェックをいれる。
塗装ブース内は「30℃」結構暑い!ここから乾燥工程でブース内を一気に「60℃」まで上げて、約一時間焼く。
ホッカホカの状態で塗装ブースから出てきた「シエンタ」フロントドアは歪みもなく完璧に復元出来た。
ドアもステップも修復箇所が分からない状態になっている。「あっぱれ!」
最終修理箇所にボディーガラスコーティングを施し、ビーテックのサービスである、「オゾン除菌消臭作業」で納車準備。
納車は翌日なので工場内で大切に「保管」しておく。翌日の朝一番に、お客様の下へ無事納車された。
編集後記>
実際、新品ドアに交換してしまうと部品代もかなりの高額になってしまい、車両保険を使用することになったことでしょう、そうなると当然「3等級」下がってしまうので翌年の保険料に影響してしまいます。今回は殆どが職人の「工賃仕事」これによりお客様は保険を使うこともなくなしました。鈑金技術・塗装技術、これは「にわか」に出来るものではありません、5年、10年、15年と実績を積まないと出来ない技術です。新車のドアをいきなり新品パネルに換えてしまうと、簡単にこの車「ドア変えましたね」と査定士や、業界の方が見たら直ぐに分かってしまいます。この仕上りなら、専門職に従事している方以外は先ずは分からないでしょう。完全復元の「ビーテック」はここにも「健在」です!大破も小破も「ビーテックへ!」、今回修理課程(行程)をビーテックニュースに投稿することに「ご快諾」頂きました「N様」、ありがとうございました。これからも安全運転で素敵なカーライフを!
撮影・取材・文責:辰巳寛一
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