ビーテックニュース
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エーミングセンターは大忙し!!!(2024年からはOBD車検ですよ!)
2022/02/04
昨年の2021年11月からと言えば、「中国武漢市」からばら撒かれたウィルスから約2年が経過し、中国ウィルスからデルタ株に変わってピークアウトして行き、9月位から収束し「あ~、これで平穏な2022年のお正月を迎えられる」と思っていたころであり、多くのカーユーザー様はそれどころではなかったのではないか??業界人も。
そんな中、自動車業界では大きな「法改正」が実施されている・・・。今までは、各メーカーが任意で取り付けだした「電子制御による衝突軽減装置」・・・。最近では殆どの新車に取り付けられているこの装置が、昨年(2021年11月)より義務化されている。
毎年230万台前後の国内販売の新車全てに「衝突軽減自動ブレーキ」が取り付けられることになった。半世紀(50年)ほど前の車には全く使われていなかった電子機器。
自動車に電子部品として最初に使用されたのは燃料系の制御装置(EFIやEGI)がキャブレターに変わって、ガソリンと空気を微妙にコントロールし適切な混合気を作る。
これがキャブレターの仕組み。至ってアナログで簡単構造、これを電子部品で制御することになったのも記憶に新しいのでは??
ところが、自動車産業100年に一度の大改革!の現在では、各メーカーが、この電子機器を「安全装置」にも取付るようになった。「スバル」でいうと「アイサイト」、「ホンダ」でいうと「ホンダセンシング」、「日産」では「プロパイロット」、「トヨタ」は「サポカー」???。余談になるが、このメーカーがバラバラで開発しているのも問題であり、開発費などの関係もあるのか、情報開示には全く協力的ではない・・・。
簡単に言うと、人の目だけではなく、車も前を見て「危険を察知」し、運転者がなんらの行動に移さなかったときに電子機器が判断して減速及び停止する機能である。
近い将来このように、街中を走る自動車の殆どが、センサーを張り巡らせて走ることになる。(なんか神秘的・・・)
ここからが、今一番懸念されている問題点!!!>>(その電子制御されている車両を、どうやって整備する?)
各メーカーはこのような車を、「安全・安心」としてPRし販売をしているが、一方でその車を故障や事故などで、整備した時にカメラやミリ波レーダーがしっかり前を向いているのか?を計測しているのかが、自動車整備業界では問題になっている。自社工場で計測するには「数百万円」の機器と、計測場所(一定の広さのヤード)が必要になる。
そのカメラやミリ波レーダーは、その殆どが、フロントガラス及びフロントバンパーに取り付けられている。その部分を修理した場合には必ずその電子機器が正常に機能しているかのチェックが必要になる、それが「エーミング」だ。今までは簡単に「バンパー交換!」や「飛び石などでのFガラス交換」等が行われていたがこれからは、その修理後に「エーミング」を行わなければならない。
国も慌てて、自動車整備業界の分解整備認証に「特定整備認証(2020年4月施行)」を加えた。この認証を受けた工場でないとこの電子部品が装着されている車両の分解整備が出来ないと決めた・・・。
ビジレンビーテックでは、当然その「特定整備認証」を同年(2020年10月)に取得し、更には東大阪工場隣の倉庫を借り、「ビーテック・エーミングセンター」を立ち上げ、自社でエーミング測定を実施出来るようにした。
また、電子制御部品はそれだけではない・・・、全方位カメラによる「アラウンドビューモニター」が装着されている車も多くなってきている。
この画面の左側にある、自車両を真上から観て「前後左右」のカメラから映し出される。この装置も分解整備をした後はエーミング測定が必要になる。また、昔からあるが、前後及び四隅にはミリ波レーダーで障害物が近づいてくると「ピピピ」等の警告音がでる。(センターライン逸脱警告もこのセンサーで)
ビーテック・エーミングセンターには、毎日数台の測定を行っている。編集部としては一度取材を試みた・・。「お!これは・・・・???」
現行モデルの「三菱デリカD:5」の全方位カメラの測定が行われていた。左側面の損傷で左サイドミラー(カメラ付き)も交換したことで全方位カメラがしっかり作動しているかの「エーミング」が行われていた。
このようにターゲットは「床」に設置して全方向のカメラが正確にモニターに映るかのテスト。
テスターの指示通りに床面に「ターゲット」を置いて計測。
市野エーミングセンター長!(二級塗装士)。普段は塗装業務でまだまだ修行中の身ではあるが、このエーミング測定に関しては、ビーテック全技術者集めても右に出る者はいない。(ベテラン技術者は基本アナログ系なので、デジタルは苦手・・・笑)
編集後記>:2024年(二年後)4月からは、OBD車検も始まります。「なんじゃ?それ?」って言われる方が殆どかと思われますが、これだけコンピューター(電子)制御された車が車検を受ける時に今までのように機械的な部分だけの車検ではなく、今までの保安基準部品に加えて、電子制御システムに異常が出ていると「車検」が通らないということです。
運転席のメーターパネルで「イエローやレッド」等(チェックランプ)が点灯している車両は当然車検は通らないということです。この電子部品も今後は車の走行安全性能に大きく寄与しているということになります。
ここ数年で自動車は「自動運転」に進んで行く過程にはありますが、一方で懸念されることは「ハッキング」による制御不能になる自動車が出てくるのではないか?ということもあります。運転者の意思や運転技術に反して外部からその車を操れてしまうのではないか?ということです。
私達、自動車修理に携わる者としましては、正直「完全自動運転」には反対します。安全装置についても、ここまで複雑になってくると、全国の専業整備工場・車体整備工場(BP工場)なども困惑しており、修理後の「適切なエーミング」が行われてない車は、今よりも危険な車になる可能性が出てくると実感しております。
キャブレターで混合気を吸気し爆発したエネルギーで走り、クラッチ操作で駆動系に伝え、機械式ハンドルで曲がり、マニュアルミッションを切り替えて行き、油圧ブレーキで減速・停止。この指揮官は「人間」が行うべきものでだと思います。オートマチック車が、ペダルの踏み間違いでの悲惨な事故も多く、マニュアル操作ではあり得ない事故ではないでしょうか?
あくまでも、電子制御は運転の補助的な役割までにして頂きたいと考えるのは、私だけでしょうか???。(取材・文責:辰巳寛一)
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