9月のまだ残暑の厳しい折、一人の若者（21歳）がビーテックの門を叩いた。社会に出てからは全くの別業界で仕事をしていたが、バイク・自動車に興味があり自動車業界に飛び込んできた。身長が「190cm」を超えるかなりの大柄である。

先ずは、迫田工場長に「鈑金」を教えてもらう「長尾氏」、分解・組付けなど見ながらアシストをする。

　　　

ドアを交換するので、細かい部品を丁寧に外していく「自分で考えてやってみ！」

　　　

って言われても、初めてやるには少し難易度が高いのでは？？？。

　　　

はい、次はパテ研ぎ・・・。「このくらいかな？」、「まだまだ！」、「こんなもんかな？」、「ハイ、研ぎ過ぎ！もう一度パテ塗って！」、「え～！」。（１週間は鈑金を体験した）

翌週は「塗装」の体験になる。見る物、見る物が初めての体験で何をみたら良いのか？

　　　

塗装部門も約１週間の体験・・・、10月からは「塗装士になるか？はたまた鈑金士を目指すか？」本人に決めてもらう。長尾氏からは「塗装士を目指します！」と声が出た。

何故？塗装士を目指すのかの真意は分からない、迫田工場長が厳しかったのか(笑)・・・。

ともあれ10月1日より「試用期間」として本格的に採用となった長尾（塗装士見習い）氏。

本格的に、塗装の前処理を実践でやり始める。1か月が経ち11月になった彼を取材してみた。

「え？なんですか？」と驚く顔はどことなく頼もしく見えてきた、技術者の顔になってきたのではないだろうか？マスキングから、塗装前の準備段階を全て任されるようになっていた。

　　　

お～、ガンを持つ手もなかなか板についてきたのでは？先輩達からの「愛のムチ」が飛び交う（ダメ出し）にもめげず、黙々と仕事を続ける。グループ会社であるビジネスレンタリースの「レンタカー」を扱ってもらう。塗装士見習いから「見習い」の文字が消えるのは今後の彼次第と先輩方は言う。

本日名刺も届き、胸にはPAINTR（ペインター）のワッペンが付けられた。11月からは試用期間2カ月目に入る。奥が深いこの業界・・・。技術者を目指す若者が極端に少なくなっている現状で飛び込んで来た「長尾氏」思っているほど優しくはない！どこまで「根性」見せられるか！「頑張れ！」彼の10年後「31歳」には立派な「塗装技師」になっていることを心から期待する。

（取材・撮影・文責：辰巳寛一）